野球馬鹿に惚れた馬鹿
―バン
あたしと同じように教室のドアが思いきり開いた。
げっ。
あいつだ。
そう。そこにいたのはさっきの奴。
さっきの二人も同じ教室らしくぞろぞろと入ってきた。
そのうちの一人、あたしの頭にボールを当てた憎い奴が席を確認してあたしの隣にやってきた。
……嫌な予感的中。
『はあ』とため息をつくと、そいつはあたしに気付いた。
「あ、さっきの!!」
「…」
「おい、なんか言えよー」
「…」
「俺が一人で喋ってるみたいじゃんか」
「…」
「あー、その、さっきはごめん。」
あたしはちらっとそいつを見ると、本当に反省してるみたいで、
捨てられた子犬のような顔をしてたからこれ以上無視できなくなった。