野球馬鹿に惚れた馬鹿
「もう。気にしてないからいいよ」
「マジ?サンキュ」
あれ?立ち直り早くない?
もしかして今の演技?
聞こうとしたとき、ちょうど先生がやってきて聞けなくなった。
「えっと、自己紹介は各自適当にやっといてくれ。
で、俺は浜中(はまなか)だ。
質問はないよな?」
なんていい加減な先生なんだ。
こんなんでいいのかな?
「えー、学級委員を決めなきゃいけないんだが…」
先生が悩んであたし達生徒をじろじろ見ている。
「お前、やれば?」
小声で隣のやつが言ってきた。
「はあ?あんたがやればいいじゃない」
「やだよ。俺野球やりたいもん」
「だったらあたしに言わないでよ」
小声で話してたつもりがいつの間にか大きな声に変わってた。