野球馬鹿に惚れた馬鹿


「ちぇっじゃあ俺もチィって読んでやんね!」

「別にいいし」

「えぇ〜っ」



斎藤を見るとガクッと肩を落としてあからさまにショック受けてるし。

でも、別にチィって呼ばれなくてもよかったしね?



「なんやー、あんたら仲ええなー?」



楓ちゃんがニヤニヤしながら後ろを向き、
身を乗り出して聞いてきた。



「べっつに、仲良くないし!」

「えぇー。絶対嘘や!」

「ほんとだって!」



また言い合いになってしまった。

すると先生に注意された。



「お前達、仲がいいからってうるさすぎだぞ!」

「べつに!仲良くないし!」

「「だからうるさいって…」」



斎藤と楓ちゃんにまで注意される。

もぅ!
何なのよ!皆して!




そんなこんなで始まった高校生活。

あれからいつもいつも喧嘩の毎日で…。



優しくされたのは今日が初めてだった。

だからかもしれないけど、
内心ドキドキしてた
あたしがいた。
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