野球馬鹿に惚れた馬鹿
とにかく、斎藤が悪い訳。
「てか、早く終わらせようぜ。俺、帰りたい」
はあ!?
あたしだって帰りたいんだよ!
「あたしも帰りたいんですけど!」
「お前、何にもやることないだろ!俺、野球なの!」
「野球?」
そういえば斎藤って野球やってたっけ…。
うまいのかな…。
って、何気にしてんだ!
あたしは。
「そう。」
「へー」
「え、お前、野球ってわかるよな?」
はあ!?
わかるに決まってんじゃん!
どんだけ馬鹿扱いされてんの!?
「わかるしっ」
「なら、頼む!」
ん?
斎藤の方をみると、両手を合わせて頭を下げていた。
ああ、もしかして…。
「なに、あたしに一人でやれと…?」