野球馬鹿に惚れた馬鹿



すぐに解放されたあたし達。



「あーあ。チィのせいで今日も居残りかぁー。」



前には手で枕を作って頭を支えながら歩くマサ。

きっと今ドキッてしたのはあたしだけ。


何にドキッてしたのかっていうと…。


名前。


まだマサにチィって呼ばれるのは慣れない。

聞く度にドキッてする。


でも、これはびっくりしてドキドキしてるだけだもん。


………そうだよね?




「……あ……なあ。聞いてる?」

「え!?」



考えててほとんどってゆーか全く話しを聞いてなかった。



「だーかーら!奢んなくてもいいん?」



……は?

なんだ、真剣な話しかと思った。



「やだよ。」

「なんで」



さっきまで前にいたのに気がつくと隣にいるマサ。

……いつの間に隣に来たのよ。


内心ドキドキしながら平然を装って話しをする。



「だってとりあえずはやったもんねー。」

「へいへい」



なんだかんだ言って、やっぱ優しいんじゃん?
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