野球馬鹿に惚れた馬鹿
「そ、そうなんだー。」
嫌だ。
何でかはわかんないけど、
マサに好きな人がいるって思ったら、胸が締め付けられそうになった。
「そいつさ、なんつーか。
すんげー可愛いんだ。
守ってやりたくなる。」
……。
そんなの、聞きたくない。
「でも、素直になれなくてさ、いつも喧嘩ばっか。」
だから、聞きたくないって。
「どうすれば、いんだろな。」
チラッとマサを見た。
でも後悔した。
マサは、すごく辛そうな顔をしてた。
そんなに、その人のこと、好きなんだ。
「ごめん。ちょっと休憩してくるー!」
わざと明るい声で。
マサにばれたくない。
その一心で、その場から離れた。