野球馬鹿に惚れた馬鹿


「斎藤ーっ!」



大声で呼んで思いきり手を振った。



「ん?あ、坂本!」

「よっ!って、あれ?
皆集合してんじゃん。」



そこにいたのは、斎藤だけじゃなくて、斎藤とよくつるんでる奴らもいた。



「チィじゃん!」

「こんな時間に何してんの?」



同じクラスの武(たけ)ちゃんと俊(とし)が話し掛けて来た。
この二人とは比較的仲が良い方。



「係の仕事してた」

「へー!チィ偉いじゃん!
……ってことはマサ、サボったのかよっ!」

「なっ!ちげーよ」



はあ!?
違わないでしょ!?

あたしがどれだけ苦労したと思ってんのよ!



「いいの!なんか奢ってもらうし!
それより、皆は何してたの?」



斎藤の奴、野球してたんじゃなかったら、タダじゃおかないんだから!
< 5 / 26 >

この作品をシェア

pagetop