野球馬鹿に惚れた馬鹿
「斎藤ーっ!」
大声で呼んで思いきり手を振った。
「ん?あ、坂本!」
「よっ!って、あれ?
皆集合してんじゃん。」
そこにいたのは、斎藤だけじゃなくて、斎藤とよくつるんでる奴らもいた。
「チィじゃん!」
「こんな時間に何してんの?」
同じクラスの武(たけ)ちゃんと俊(とし)が話し掛けて来た。
この二人とは比較的仲が良い方。
「係の仕事してた」
「へー!チィ偉いじゃん!
……ってことはマサ、サボったのかよっ!」
「なっ!ちげーよ」
はあ!?
違わないでしょ!?
あたしがどれだけ苦労したと思ってんのよ!
「いいの!なんか奢ってもらうし!
それより、皆は何してたの?」
斎藤の奴、野球してたんじゃなかったら、タダじゃおかないんだから!