野球馬鹿に惚れた馬鹿


「俺ら今まで野球してたんだ。」

「ふーん」



なんだ、本当に野球だったんだ。

あれ?
てゆーか、



「皆野球するんだね!」



知らなかった。
あたしのクラスには野球少年が多いのかも…。



「おう!でも1番野球馬鹿なのはマサだよな!」



へー。
斎藤が、ねえ。

斎藤でも、夢中になって出来ること、あるんだ。

何だか羨ましいな。


ジーッと斎藤を見ていると、斎藤もこっちを見た。


な、なによ。



「見てんじゃねー、よ!」



『よ!』のときにデコピンをされた。



「いったぁーい」



あたしはすぐ涙目になった。

もお、斎藤の奴、何考えてんのよー。



「あ、わりわり。
てか送ってくわ。危ねーし。」



え…。
ドキッてした。

心配してくれてるんだって思ったら少しだけ嬉しかった。
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