野球馬鹿に惚れた馬鹿


「今、チィ…って……」

「あっ!わり…。
やだったよな。」

「え!?やじゃないよ!」



話しをしながら歩き始めたあたし達。

うーん…。
皆にもチィって呼ばれてるし…。



「じゃ、これからチィって呼ぶな!」



ニカッと笑った。
斎藤の笑顔は人を幸せにするのかもしれない、
なんて馬鹿みたいなこと思った。



「てか、おまえも、マサって呼べよな」



……はあ?



「え!?なん、で」



イヤだよ!
無理だよ!
恥ずかしくて死んじゃう!



「なんでも!マサって呼ばなかったら、デコピンするからな!」



……デコピン。

デコピンはイヤだな。
痛いし…。


単純なあたしはデコピンの名を聞くと従ってしまった
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