あの頃のキミは
ソファーに腰をおろした裕太兄が口を開く。
「…やっぱり、"お前の事は"覚えてなかったんだな」
裕太兄が悲しそうに顔を歪める。
俺だって悲しいけど
絵麻に悲しい思いをさせるくらいなら
このままでいいとも思ってる。
「…そうだね。あの時のショックで記憶がめちゃくちゃになってるんだと思う。とりあえず今は"アイツ"の事を思い出してくれてるみたい」
でも
ずっとこのままってわけにもいかない。