あの頃のキミは


「HRはじめるぞー」

もっちーが教室に入ってきたところで皆が席につく。
いつもならここで静かになるはずが
今日はちょっと騒がしい。

『えー、皆見君は?』

『お休みかなぁ?やーん、目の保養がぁー…』

『風邪かなぁ?しんぱーい…』

聞こえてくる声はどれも凪くんに対してのことだった…。


凪くん
やっぱり人気者だなぁ…

あんなにいっぱいの女子に心配されている。


ズキッ

…ん?

なんだろ…なんか
胸が痛い…?

「皆見は、欠席だなー。家の事情だそうだ」

家の事情って大丈夫かな…
なにかあった?

ぼーっとしてると
いつの間にか目の前につぐみが立っていた。



< 112 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop