あの頃のキミは
「絵麻…昨日ちゃんと寝た?なんか、クマ酷いけど…」
一緒に来た柴咲も同じことを思っていたらしい。
クマとなんとなく顔色もよくない。
「…えっと…色々考えてたら眠れなくて…寝たら寝たで夢見がよくなくて、目覚めちゃったんだよね…」
…夢?
あはは…なんて笑ってるけど、まだ眠そうだ。
「なに、どんな夢みたの?」
俺がそう聞くと、絵麻は手をぶんぶん振って大した事じゃないから!と焦ったようにいった。
「…そう?」
とりあえず追及するのはやめたけど…
関係ありそうだな…。
「まあ、あんまり無理しないようにね」
ポンポンっと絵麻の頭を撫でる。
ふと視線を感じて前を向くと、柴咲と目が合う。
その視線は…
とりあえず好意的ではなかった…。