あの頃のキミは
⑫厄介な人物
*凪早side*

ホームルームが終わった時だった。

ガヤガヤしていた教室が一瞬にして静まった。

「皆見くんっ!!」

少し高くて甘い声が教室に響く。
誰もが教室の入り口に目を向けた。


…俺になんの用…?

はっきりいって苦手なタイプであろう、その女。

星野満里奈だ。

周りではクラスの男子が
やっぱチョー可愛いなぁ〜なんて騒いでいる。

「ちょっといいかなぁ?」

気持ちは進まないが…とりあえず入り口まで進む。

「…何か用?」

「ちょっと屋上で話せない?」

「…ここじゃ駄目なの?」

ハッキリ言って二人きりになんてなりたくない。
絵麻の前で話してることも嫌なのに。

どうにかここで済ませようと、思考を凝らしていると
とんでもないことを小声で言い始めた。

「永井さんに聞かれたらマズイんじゃないかなぁ?」

「?!」

は?絵麻に?!
そんなのあの話しかない。でもなんでこいつが…?

そう言われたらもうついて行くしかない。
やっぱり、星野はそうゆう女だ。

あのふたりいい感じなのかな〜?なんて嫌なウワサ話を耳に入れながら、とりあえず教室を後にした。
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