あの頃のキミは
ーーー土曜日。
ここ最近ずっと雨続きだ。
まるで私の心をあらわしているみたいに。
満里奈ちゃんが凪くんを呼び出した日から
毎日のように、うちのクラスにやってきた。
そのうちに、学年では2人が付き合ってるって
噂が流れ始めた。
凪くんは、満里奈ちゃんが来ても
教室で話すことはなかった。
必ず場所をかえる。
なんでなのかは、すごく気になるところだけど
お似合いの2人を眺めるのはやっぱり辛くて
場所を変えてくれる事は、私には有り難かった。
部活に専念できたら余計な事を考えずに
すんだものの、今はテスト前。
ため息をもらすと何かを察知したかのように
ケータイが鳴った。
"着信 つぐみ"