あの頃のキミは

「もしもし?」

『あ、絵麻⁇今どこにいる?』

なんだか電話の向こう側が、ガヤガヤと騒がしい。

「ふつうに家だけど…つぐみは外?なんか、賑やか」

『また浅田さんのいるカフェにきてるの‼︎絵麻も来ない?まぁ、残念ながら冬夜もいるけど…』

するとつぐみの後ろから騒ぐ声が聞こえる。
『残念ながらってなんだよ?!』

その返しについ、プッと吹き出してしまう。

確かに、家で悶々としながら勉強するよりは
2人の明るい雰囲気にのまれながらする方が
よっぽど捗りそうだ。

「うん、行こうかな。ありがと。すぐ支度するから」

そう言って電話を切る。

< 149 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop