あの頃のキミは
「もしもし?」
『あ、絵麻⁇今どこにいる?』
なんだか電話の向こう側が、ガヤガヤと騒がしい。
「ふつうに家だけど…つぐみは外?なんか、賑やか」
『また浅田さんのいるカフェにきてるの‼︎絵麻も来ない?まぁ、残念ながら冬夜もいるけど…』
するとつぐみの後ろから騒ぐ声が聞こえる。
『残念ながらってなんだよ?!』
その返しについ、プッと吹き出してしまう。
確かに、家で悶々としながら勉強するよりは
2人の明るい雰囲気にのまれながらする方が
よっぽど捗りそうだ。
「うん、行こうかな。ありがと。すぐ支度するから」
そう言って電話を切る。