あの頃のキミは
⑬告げられた真実
浅田さんにも元気をもらい、つぐみと冬夜くんにもしごかれ
日曜日も勉強に集中できた。
今までで一番いい点がとれそうな気がしてきた!
そして週明け、少しの間だけ忘れていたあの事を
エレベーターの扉が開いて思い出した。
「おはよ、絵麻。」
こちらの気も知らずに、ひらひらと手を振る凪くん。
「...おはよ、凪くん。」
ちょっとそっけない挨拶になってしまう。
「...なんか元気ない。もしかしてテスト勉強で寝不足?」
そう言ってこちらの顔を覗き込む。
その瞬間土曜日の映像が頭に流れ、反射的に顔をそらしてしまう。
「ちょっ、近い!...あんまり、こうゆう事すると誤解されるからよくないと思う!」
言い終わると同時にエレベーターのドアが開く。
「...早くいこ。つぐみたち待ってる。」
何か言いたげな凪くんを無視して足早にエレベーターを出る。
これ以上話してると余計なことを言ってしまいそうだから。
それに折角頭に叩き込んだのに、ほかの情報でいっぱいにしたくなかった。
付き合ってるわけでもないのに、他の女の子といるところを見て怒ってるなんて...
勝手すぎるし、凪くんからしたらいい迷惑だ。
そう考えながら少し自己嫌悪に陥るのだった。