あの頃のキミは
「よっすー。なんだよ、終わったらさっさと帰っちゃうしさ〜、勉強するんだったら俺の事も誘えよなー」

と、詰めろよな〜とナチュラルにつぐみの横に腰掛ける。

「ちょっと!普通に座らないでよ‼︎…てか皆見は一緒じゃなかったの?」

私も気になっていた事をつぐみが聞いてくれた。

「あー、、途中までは一緒だったんだけど、なんか忘れ物したとかで学校に戻ってたよ。つーか、永井また凪早と何かあった?」

するどい質問に思わずギクリとなる。

冬夜くんは言動こそ大雑把だが、周りのことをよく見ているのだ。

「永井、わかりやすすぎー…凪早も絶対気にしてるし…」

「それは…わかってる。すっごい見られてたし…」

痛いくらいに凪くんの視線は感じていた。

「いったい何があったん「その話、もう終わったから!ついさっき勉強するってなった所だったんだけど!」

と、つぐみが冬夜くんの言葉を遮って教科書を広げた。

「そ、そうそう!冬夜くんさ、数学得意だったよね⁈教えてほしいな〜」

つぐみの勢いにのって、早口にまくしたてる。

「お、おう。いいけど…」

何か言いたげな表情でこちらを見ているが、私の勢いに押されたのか渋々と教科書を開いてくれた。

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