あの頃のキミは
「俺はさ、その…つぐみ…一筋…だし…永井には色々協力してもらってるから…だから、俺も永井にはうまくいってほしいし、何か力になれたら…」
つぐみの事になると急にしどろもどろになり、それが何だか可愛くて笑ってしまった。
「うんっ、ありがとう冬夜くん。今、充分元気もらえた‼︎」
「…ほんとか?」
「うん!なんか、元気出てきたらお腹すいちゃった‼︎スイーツでも注文しに行こうかな」
「え、俺も!」
と、笑顔の冬夜くんも一緒に席を立ち上がる。
ショーケースに並ぶ色とりどりのケーキ。
どれも美味しそうで迷ってしまう。
冬夜くんも、う〜ん…と唸りながら迷っている。
「決まった?」
2つに絞れたところで、フロアから浅田さんが戻ってきた。
「えぇーっと………私、このクレームキャラメルにします!」
そう言った所で横から女の人の声がした。
「あ〜、わかる〜…それも美味しいんだよなー」
「え?」
横を見ると、見た事のあるコックコート姿の女性が立っていた。