あの頃のキミは
「あ、ごめんなさい…私も迷ってて…口に出ちゃってましたね。でも、それ美味しいのでおすすめです!まぁ、どれも美味しいんだけど…」
そう言って恥ずかしそうに笑った女性のコックコートには、"kuramochi"と刺繍されていた。
「お姉さんのおすすめなら、食べるの楽しみです!」
この人が浅田さんの彼女。
笑顔が素敵で、可愛らしい感じの人だ。
何度か見たことがあるけど、きっとこっちが素なんだろうなーという浅田さんを引き出す事のできる人。
ちょっとぶっきらぼうな感じの浅田さんも、それはそれでいいんだよね。
私も凪くんと、ちゃんと向き合いたいな…
やっと注文の決まった冬夜くんは季節のタルトにしていた。
倉持さんはまだ悩んでいるようだった。
「では席にお持ちします」
浅田さんにそう促され、私たちは席に戻った。
私たちが席に戻った少し後につぐみも戻ってきた。
「長かったね、電話」
「あー…うん。お母さんから、ちょっと色々頼まれごとして…てか2人とも何か頼んだの?」
「うん、デザート頼んだよ!つぐみも頼んできたら?」
その後みんなでデザートを食べ、2時間ほど勉強をして解散となった。