あの頃のキミは

*凪早side*

おかしい。




絵麻の様子が。

いくら見ても、こっちを見ようともしない。
それに朝のエレベーターでの態度。

『ちょっ、近い!...あんまり、こうゆう事すると誤解されるからよくないと思う!』

今までもっと近距離でもここまで言われた事はない。
誤解?俺としては大いに結構。というか誤解でもなんでもないし。

なんで急にこんなにも避けられるようになったのか…考えていると、一つの可能性が頭によぎった。

まさか、見られた…?

星野と出掛けていた所…俺は仕方なく同行する位の感覚だったけど…はたから見たらデートには見えてしまうだろう。

周りにバレたくないのでキャップを目深に被ったりしていたのだが…

色々考えていたら、スマホを教室に忘れている事に気がつき、冬夜と別れ学校に戻った。

教室の自分のロッカーを見ると、自分のスマートフォンが置き去りにされていた。

…何やってるんだ、俺…。

はぁっとため息をつき、画面をタップして通話ボタンを押した。

3コールくらいで相手が電話に出る。

『もしもし?』
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