あの頃のキミは
*絵麻side*
テスト2日目、少し早めに学校に行こうとも思ったけど、冬夜くんにも言われてとりあえず学校へは一緒に登校することにした。
挨拶は交わしたけど、どうしたらいいのかはわからなくてそのあと顔は見れなかった。
いつもと変わらない笑顔で挨拶してくれた凪くんも、なんだか顔が疲れているのが気になった。
…何かあったのかな…
学校までの道のりは、つぐみと冬夜くんが色々話しをしてくれて、話題が尽きる事はなかった。
教室に入ると、いつもよりガヤガヤしていて何故か視線もこちらに集中している。
おはよーってクラスメイト達に声をかけられる中で、ある男子が凪くんに話しかけてきた。
「おい皆見、星野さん振ったってマジ⁈」
「は?」
と凪くんが固まる。
「いや、あれは振ったとかそういう話じゃなくて…そもそも告白されたわけじゃないし…ただ、しつこかったから…」
「え〜、勿体無い!俺、星野さんだったら絶対オッケーする!」
「いや、だからそういう話じゃ…」
話が噛み合ってなくて呆れ顔の凪くんと目が合い、パッとそらす。
ちょうど先生が「席つけ〜」と教室に入ってきて、その場は静まった。