あの頃のキミは
「絵麻!大丈夫だった?…絵麻?ちょっと、なにその顔色…大丈夫⁈何かされたの⁈」
顔色?
とりあえず頭が痛い…
「ごめん、ちょっと体調悪くて…今日は帰る」
「え、ちょっと絵麻‼︎」
つぐみをかわして、走り出す。
「冬夜!!皆見に連絡して!絵麻の様子がおかしい‼︎」
「は⁈お、おう‼︎」
頭が痛い…痛いけど、足を止めるわけにはいかなかった。
確かめなきゃ…
なんで忘れていたのか…
私の足は昔よく遊んでいた公園へと向かっていた。
走りながらも頭の中では満里奈ちゃんの言葉が流れていた。
『あなた…記憶がない部分があるんでしょ?なんでか知ってる?』
『皆見くん、双子のお姉さんがいたんだって』
『公園に行く途中で事故で亡くなったみたいだけど』
『あなたも一緒だったって』
なんで…
なんで…
涙が溢れてくる。
息が苦しい。
どのくらい走っただろう…
私はある十字路の手前で足を止めた。
頭痛が酷くなり、思わずしゃがみ込んだ。