あの頃のキミは
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5月の天気のいい休日

そこにははしゃぐ子供が3人。

女の子2人と男の子が1人。

そのうちの女の子1人と男の子は双子だ。

先頭を走る女の子は、かなりお転婆な様子。

「なぎさがいっちばーん‼︎こうえんにいちばんのりしたらー、ブランコのるー‼︎」

「なぎさー、そんなにいそがなくてもブランコはいなくならないよー」

笑いながら走っている。

「まってよー!なぎちゃん、なぎくん!はやい〜…」

「えまちゃん!ほら、てかして!」

にっこり微笑む男の子、凪くんは私の手を掴み一緒に走ってくれる。

私、なぎちゃん、なぎくんって呼んでたんだ…

でも女の子が「なぎさちゃん」

凪くんは、「なぎ」

私が思い出したのは、"なぎくん"じゃなくて"なぎさちゃん"だったってこと…?

凪くんのこと、女の子だと勘違いしてたと思ってたのに…

みんなが十字路へと近づいていく。

駄目…!行かないで、お願いだから…!
そう願ってももう届かない。

これは10年も前の事なのだから。

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