あの頃のキミは
14.凪と渚と凪早
私の目的地は決まっていた。
あの日、行くはずだった公園。
あの日以来、行くことのなかった公園。
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公園の入り口で、全体を見渡す。
遊具は、新しいものもあったがブランコは…
なぎちゃんが遊ぶはずだったブランコはそのままだった。
誰もいない公園で、静かにブランコに腰掛ける。
少しするとつぐみが公園に入ってきた。
私の目の前にきてしゃがみ、呼吸を整えてから目線を合わせる。
「絵麻…やりすぎだよ。ちょっと…びっくりしてる、私。今まで人を叩いたことなんてないでしょ?」
こくり、と頷く。
つぐみに静かに語りかけられて、少し気持ちが落ち着いた。
今でもピリピリとしている手を見つめる。
確かに…叩くことなかった。
凪くん、大丈夫だろうか…
冷静になって考えると、後悔の念がうまれてきた。
「…色々、許せなくて…ごめん、巻き込んで」
「私には謝らないで、私たち親友でしょ?星野満里奈に何を言われたの?」
私は、またじわりと溢れてくる涙を流しながらゆっくりとつぐみに話をした。