あの頃のキミは

お母さんと美佐ちゃんは、よほど心配だったのかマンションの玄関口でつぐみ・冬夜くんと一緒に待っていた。

到着するなりお母さんに抱きしめられ、体調は大丈夫なのか?と泣きながら確認された。

「お母さん…泣かないでよ…確かに頭痛は酷かったけど、もう大丈夫だから!」

「お母さん、絵麻のためだとわかっていても、ずっと騙しているようで…申し訳なくて…本当に良かった…!念の為一度病院で診てもらいましょう」

そんな気持ちにさせてしまっていたのか…

「ごめん、お母さん…っ…ありがとう」
「いいのよ、家族なんだから…」
止まっていた涙が再び溢れ出した。

「……ところで、あなたビンタしたって本当なの?」

「……え…ぇっと…うん」

「なぁにやってるのよ‼︎凪くんの綺麗な顔が腫れてるじゃないの‼︎叩くのはバレーボールだけにしなさいよね‼︎」
「ごっ、ごめんなさい〜〜‼︎」

さっきまでのしんみりした空気はどこへ行ったのやら…急な説教タイムが始まった。

「絵理さん、大丈夫ですよ!俺にも原因がありますし、、それに、ちゃんと絵麻に責任とってもらうので」

にこにこと笑いながらとんでもない事を言ってきた。
またみんなの前でっ‼︎

「…それもそうね…「お母さん⁈」

うふふ、未来の息子!なんて言いながら手を取り合っている。

私達まだ付き合ってもいないんですけど⁈

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