あの頃のキミは
「多分、そろそろお寿司が届く頃だから行こっか」
そう言って私の手を取り、屋上を後にしようとすると…
ガタッ
(あ、やべっこっちきた…つぐみ早く立て!)
ん…?
ガチャッ
扉を開けると、そこには冬夜くんと赤い顔をしたつぐみがしゃがみ込んでいた。
顔が一気に熱くなる。
「いっ…いつから居たのーーー⁈」
「ちっ、違う!覗こうと思ったわけじゃなくて、屋上にいるから呼んできてほしいって頼まれて…」
「そ、そうそう‼︎美佐ちゃんに頼まれて…決して映画のワンシーンのような物は見てな「あ!バカ‼︎」
少しテンパってるつぐみの口を冬夜くんが塞ぐがもう遅い。
「〜っ、しっかり見てるじゃないの〜‼︎」
穴があったら入りたいとはこの事‼︎
親友にこんな場面見られるなんてっっ‼︎
「いいじゃん、映画のワンシーンなんて光栄だね。なんなら続きも見る?」
意地悪そうな顔をして、もう一度私の顎に手を添える凪くん。
「っ!ちょっと!凪くん⁈」
「ま…まぁまぁ、とりあえず良かったな‼︎俺も嬉しいぞ‼︎」
ずっと心配してくれていた冬夜くんとつぐみの祝福を受け、私達はその場を後にした。