あの頃のキミは

マンションの入り口でふいに後ろから声をかけられる。


「ねぇ、ひさしぶり」


え?

振り返ると桜吹雪のなかに
男の子が立っていた。

茶髪で色白
ぱっちりした目
身長は165㎝の私より少し高い。
にっこりと笑う口からは八重歯が覗いている。


…いや、こんなイケメンの知り合いいないでしょ…


「なに…俺の事覚えてないの…?」


私が難しそうな顔して首をかしげていると
悲しそうに顔を歪めた。


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