あの頃のキミは
「あ、おはよー!絵麻~、皆見ー」
「おーっす!」
エントランスを出るとつぐみと冬夜くんが待っていた。
「おはよう」
くぅーっ、何事もなかったような爽やかスマイルっ!!
「絵麻、どうしたの?…顔赤いけど……まさか…」
ジロッとつぐみが凪くんを睨む。
「ちっ…ちがう!今日のお昼のカレーが楽しみでっ、ちょっと興奮しちゃってさぁ~…」
いくらなんでも苦しい言い訳と、自分でもワケわからない理由で更に顔が赤くなる。
しばらく無言の後、ぷっとふきだす音が聞こえる。
「やだー、絵麻ってば!どんだけ食い意地はってるのよー!」
「さすが、永井!俺でも昼のカレーにそこまで興奮したことないわー。てか、よく食べるのに全然太らないよなー」
「へ…へへへっ」
自分がアホなキャラでよかった。
チラッと凪くんをみると、肩を震わせ笑いをこらえているではないか。
くっそぉっ。
凪くんの弱味…絶対みつけて仕返ししてやるんだからっ!!