あの頃のキミは
「ふーっ…絵麻、おつかれー!!結構練習きつめだったね」
タオルで汗を拭いながら、つぐみがこちらに歩いてきた。
「おつかれ、つぐみ。でもつぐみサーブ練習の時、綺麗にあがってたじゃん!!」
「サーブはねー。スパイクは結構きびしかったよー…」
うちのバレー部は、長身の先輩も多く、その長い腕を振りおろして打たれるスパイクは中々の威力だ。
仮入部期間なので、先輩たちより早めに上がりつぐみと部室で制服に着替える。
制服に着替え終わった所で、スマホがないことに気づく。
「あれ…教室に忘れてきちゃった…」
「ごめん絵麻。今日、家の用事あるから先帰るね!」
「あ、うん。大丈夫!お疲れ様ー」
つぐみがバタバタと部室をあとにする。