あの頃のキミは
⑨ひっかかる何か
合宿も終わり、G.Wも残りあと2日。
1日はお休みをもらえたので、今日は家でゆっくり過ごす。
疲れていたのもあるが、今日は裕太兄が帰ってくるからだ。
ガチャっ
「ただいま~」
パタパタパタパタ…
「「おかえり~!!」」
見事に私とお母さんの声がハモる。
「…相変わらずそっくりだな…、あー疲れた。これお土産」
そう言って、茶色い紙袋が渡された。
「何?これ…」
「ケーキ」
「やったぁぁぁ!!紅茶いれるねー!!」
裕太兄は、よく悪態をついてはくるけどたまーに帰ってくると、こうやってお土産を買ってきてくれる。
なんだかんだ
優しいんだよね。