あの頃のキミは


「おいしーー!」

アールグレイと一緒に、買ってきてくれたケーキを頬張る。

今まで生菓子を買ってきた事なんてなかったのにどうしたんだろ…

ムースの上に飾られたイチゴをつつきながら裕太兄に質問する。

「珍しいね、こうゆう生菓子買ってくる事なんてないのに」

「あぁ、彼女が母さんと絵麻にって買ってきてくれたんだよ」


…カノジョ…?


「「えええええ?!」」

またしても私とお母さんの声がハモる。
お母さんに至っては、驚きすぎて紅茶をこぼしている。


「…うっせーなぁー…」

裕太兄は両手で耳を塞いで、迷惑そうにこちらを見た。


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