あの頃のキミは

「あ!そういえば、凪くんがね上の階に戻ってきたんだよー!!」

「…」

ケーキを食べ終わり、話始めた私の言葉に
何故か裕太兄の手が止まる。

「…思い…出したのか…?」

目を見開いた裕太兄と目が合う。

その表情は驚きと焦りを感じるものがあった。

「…ど、どうしたの…裕太兄…?」

明らかに様子のおかしい裕太兄に
声をかけると同時に
隣からお母さんのひょうきんな声が聞こえてきた。

「ほほほほ!!そうなのよー、裕太。しかもこの子凪くんの事女の子だと思ってたみたいでー、笑っちゃうわよねー。すっごいイケメンになってたわよー」

お母さんの好みだわぁーなんて言いながら、パクパクとケーキを食べている。

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