好きって気づいてほしいのです!
保健室に様子を見に行った
保健室の扉をガラガラっと開けてひょこりと顔を出した。
「時雨〜大丈夫?」
返事がなかった…
時雨は椅子に座ってぼーっとどこかを見ていた。
「さっきまで寝てたけど
連絡がついて迎えが来ることになったんだよ」
そう言って保健の先生は微笑んだ。
時雨は辛そう。
さっきよりかなり赤い顔
焦点が定まってなくでボーッとしてる目
本当に大丈夫かな?
「鞄はさっき蒼大くんが持ってきてくれたの
あ、あれ時雨くんの親御さんの車?」
「はい。そうです。」
もう帰っちゃうのか…
まぁ、病人だから仕方ないか。
そう言って時雨は立ち上がった…が、よろけて…
────ぽすっ。
え?
時雨が私の体に寄りかかるような状態になった。
顔がかぁっと熱くなった。
横で保健の先生は微笑んでたけど、
時雨のお父さんが来て、
「すみません。遅くなりました。」
そう言って軽くおじきをしたら
時雨の肩を支えるようにして車に連れていった。
時雨は辛かったのかな?
手すらふってくれなかった。
ちょっとショックで下を向いた。
けど、早く元気になるといいな。
その後保健の先生は何も言わなかったけど
青春だなとか思ったのかな。
「あ、美花さんあと五分しかないけど次の授業大丈夫?」
「もう帰ります。失礼しました~」
「はーい~」
────ガラガラ
保健室から出て少し廊下を走った。
はぁ…どうしよ…顔から熱が引かない…
こんな赤い顔で教室入れないよ…