ウエスト・キャバレー・ドライブ
「他の男のこと考えてんじゃねーよ…」

「――やっ、ああっ…!」

考える時間を、与えてくれない。

逆らう余裕を、与えてくれない。

もういっそのこと、このまま堕ちて行ってしまった方が…あなたのためになるのかな?

「――ッ、んっ…」

激しく動くたびに、オールバックの髪が崩れて行く。

激しく犯すたびに、オールバックの髪が乱れて行く。

それをぼんやりと眺めながら、朦朧とする意識の中で、彼の両手に背中を回した。

――お願いだから、私だけを愛して…

――お願いだから、私だけを見て…

そんな思いをこめながら、スーツのうえに爪を立てた。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop