ウエスト・キャバレー・ドライブ
マルボロのタバコの匂いに、閉じていた目を開けた。

彼は私が目を覚ましたことに気づくと、携帯灰皿でタバコを揉み消した。

さっきまで崩れていたはずのオールバックの髪は、元に戻っていた。

ワックスを使ってかっちりと固めたオールバックに、同じく鎧のようにかっちりと身につけているスーツ。

職業も結婚していることも何も知らない彼との、不毛な関係。

希望も未来もないこの関係を、私はいつまで続けるのだろうか?

「――じゃ、またくるから」

彼はそう言って、私に背中を見せた。

「次にくるまで、いい子にしていろよ」

☆★END☆★
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