桃の天然水‐桃天!‐


適当な本を取って、椅子に座った。
もちろん、読まないけど。
俺、本読むの苦手なんだよね~
教科書は、優等生のために読むけど。

文字ばっか。
飽きる。
好きな人の気がしれない。

でも、優等生=読書家ってイメージがあるからさ。
しょうがないじゃん、俺優等生演じちゃってんだから。

パラパラページめくって、読んだところだけである程度のあらすじはわかる。

だから、

「ああ、この本よかったよね」

なんて話振られても、問題なし。
余裕で返答できる。

ああ、やっぱ俺って天才かも。


本を開きっぱなしにして、他のことをぼんやりと考えていたら、

『しかーし!こんなことでへこたれる桃ちゃんではないのだっ』

という大声がドア越しに聞こえた。


はあ?
何?

そう思って振り返ると、

「たのもー!!!!」

という声とともに勢いよくドアが開かれて、入口に立っていたのは一人の女の子。






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