桃の天然水‐桃天!‐
 

女の子は、ぽかーんと口を開けて、俺を見ている。

「りゅ、りゅりゅりゅ…」

俺は俺で、爆笑しそうになるのを何とかこらえながら、

「元気だね」

と言った。
もしかしなくても、微笑んでるように見えただろう。
ただ笑うの堪えてるだけなんだけどさ。


「あ、の!!」

ふーん、結構かわいいんじゃんこの子。
沙織よりか、うん、20倍くらい可愛い。


…だけど、挙動不審だ。



女の子はいきなり足を肩幅に開くと、深呼吸を始めた。


え、マジでギャグ?


どうにも面白くなって、女の子が目を閉じてる隙に顔を近づけてみた。


息を吐き出し終わった後ぱちっと開いた、大きな目。
あからさまに赤くなる顔。


「っ!?!?!?」
「なんか、具合悪いの?」


頭の具合とか?
いかれてません?



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