桃の天然水‐桃天!‐
「じゃあ、お願いしようかな」
隆司様があたしに笑いかけてくれた。
この上なく幸せで、ぽわーんとした気持ち。
まあ、ここで気絶なんかしようものなら元も子もないんだけどね。
隆司様は窓の外を見ると言った。
「桃ちゃん、何で来てるの?」
「へ?学校にですか?」
「うん」
「電車です」
「電車かあ…暗いよね、かなり……
あ、そうだ。俺バイクなんだよね。送ってあげるよ」
「はひ?」
「俺のせいで遅くなっちゃったんだもん、当り前だよね」
「そ、そんな!!いいです大丈夫です!!」
「俺と帰るの、いや?」
そんな目で見ないで───!!
「嫌じゃないですけど!!」
「じゃ、いいよね。帰ろう」
何このミラクルな急展開!?