桃の天然水‐桃天!‐
★+。:仮面生活も楽じゃない
「…あ、軽い」
完璧主義、な俺にだって、欠点がある。
それはつまり、筋力不足。
でもさ、どんなおとぎ話の中に出てくる王子様だって、筋肉ムキムキーな人っていないじゃんか?
そのくせ、お姫様守るための戦いには超強いんだよ。
ありえねー。
ともかく筋力不足な俺でもらくーに持ち上がった桃ちゃんの体。
どうしようか、とりあえず保健室かな。
ホントならこんな無駄に疲れることしたくないけど、優等生隆司なら倒れた女の子をそこらへんに放置しとかないでしょ、普通に考えても。
たっく、楽じゃないなあ、2重生活も。
「今起きれば面白いのに」
そう呟いて、原因不明で倒れた女の子の頬を、軽くつついてみる。
起きる気配なし。
両手がふさがっていたので、器用に足で図書室のドアを開ける。
廊下に誰かがいたら優等生キャラで対応しなくちゃいけない、それはそれで面倒極まりないので一応廊下をチェック。