桃の天然水‐桃天!‐
「じゃー、バイク回してくるから、ここで待っててね。寒いけど…ごめんね、すぐ行ってくるから」
桃ちゃんが申し訳なさそうにすみません、と小さくつぶやいた。
「あー寒い寒い。…大して寒くもないのか」
大して寒くもないのに寒いとか、大して暑くもないのに暑いとか、ついついいってしまうのはなぜなんだろう、と少し考えた。
条件反射?
まあいいや。
それにしても、2重生活も楽じゃないよなあ。
いっそ本当に2重人格だったら楽なのかの知れないけど。
あーめんどくさい。
でも、やらなきゃやらないで毎日が退屈過ぎる。
俺、退屈死しちゃうよ。そんなのごめんだしー。
彼女がいればもうちょっと何か変わるのかな、と思っていた時期もあった。
でも、結局変わらない。