桃の天然水‐桃天!‐
あーマジうぜえー。
ああいうの地球から消えされば良いのにねホント。
いらないし、いなくても困らないし、むしろ二酸化炭素減るんじゃねーの。
「せ、先輩?」
俺がイライラと信号を睨んでいたら、後ろから不安そうな桃ちゃんの声が聞こえた、気がした。
「どうかした?」
振り向くと、少し驚いたような顔をして、あ、あの…と、どもりながら言った。
「あ、あ、ああ、あの!!さっきから、あの、歩道から先輩を呼んでいる人が!」
桃ちゃんも気づいてたのかー…
はあ、どこまでもウザい男・加藤。
「…ああ、うん…いいんだよ、あの人たちはほっといて」
「へっ?」
ちょうど信号が変わり、出発しまーすと言ってからバイクを発進させた。
桃ちゃんが、よかったのかな、と小さくつぶやいた。
「ちょ!待てよりゅーじ!」
加藤が俺の名前を大声で叫ぶ。
気安く下の名前呼んでんじゃねえよバカ。
俺の名前が穢れんだろーが、間抜け。お前の低能がうつったらどうしてくれんだよ。
心の中で毒を吐く俺。