桃の天然水‐桃天!‐
公園は、本当に角を曲がったらすぐのところにあった。
ひと気がないことに加えて、薄暗い街灯が不気味さを一層際立たせてはいるけど、それでも砂場とすべり台、ブランコに鉄棒など、それなりの遊具はあるようだった。


「こんなところまでわざわざ、ありがとうございました!!」

バイクから降りた桃ちゃんは、ふかぶかーと、本当にしっかり頭を下げた。
丁寧にも程があるだろ。別に良いんだけどさ。


「本当に、大丈夫?」


桃ちゃんは数秒俺の顔を見つめた後、パッと顔をそむけた。
あわああ、う、わ、とかなんとか呟いてるのが小さく聞こえた。



「はははい!もう全く問題なしですノープロブレムです!」
「桃ちゃんが降りたいっていうんなら…」



ちょっと考えてみた。
もちろん、帰りたい。
この気持ちを察してくれた桃ちゃんはなんていい子なんだろうと、実は優秀なんでしょと強く思った。

だけど、優等生隆司的には…
やっぱ、家まで送っといた方がいいんじゃないかな~と思う。
ゲームに勝つためには、先を読むことも大切。



「じゃあ歩こうか」



歩いて3分なら、往復で6分。

大した差じゃないし、それならポイント重視の方向で。


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