桃の天然水‐桃天!‐
唖然、呆然。





あたし、声も出ませんよ?





「たったったっ…!!!!」

隆司様は文庫本から顔を上げ、あたしを見て、極上の微笑みを浮かべた。

「元気だね」

どっきゅーん!!
打ち抜かれた!!
キュンキュンくる!!

「!!あっ、の…!!」

ヤバい!!
ドキドキだよ!!
マンガなら、『あわあわあわ…!!!!』って感じだよ!!?


あたしは極力持ち前の(?)冷静さを保ち、とりあえず目をギュッと閉じてから深呼吸した。



すーはー…
すーはー…………


ふー…
落ち着いた…



安心して目を開けると、驚き。

「ッ!?!?!?」
「なんか、具合悪いの?」

目の前に、ホントにくっつくんじゃないかってくらい目の前に、王子様の端正なお顔が!!!!!


「っきゃあ!!」
「大丈夫?」
「だいだいだい…っ大丈夫れす!!」

噛んだー!?



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