桃の天然水‐桃天!‐
隆司様はきょとん、とあたしをそのキラキラフェイスで見つめたあと、クスクス笑い出して。
クスクスは次第にカラカラとした、大きな笑い声に。
「君、おもしろいねぇ!!」
おかしくてたまらないって感じで、隆司様はあたしの頭を撫でる。
熱が出たかのように、熱い。
頭が熱い!!
思考回路、ショート寸前だよー!!
「や、あの、その!!」
「何年生?」
綺麗な茶色の目を向けられると、どうしたらいいのか分からなくなっちゃう。
「い、一年…生です…」
「そぉ、後輩か。何科なの?」
「デ、デザイン科…です…」
どもりながら答えるあたし。
キラキラな王子様。
急展開に目がチカチカしますよ?
「名前は?」
「桃井、桃子です」
「桃、桃…かわいー名前だって、言われない?」
「紛らわしいって言われますですはい」
「桃井…桃ちゃん、…?」
っきゃぁー!!!!!
隆司様があたしの名前なんか呼んでる!!
「は、ハイハイィ!!」
「名字も名前も、桃ちゃんだね」
ふわって笑顔。
写真なんか、比べ物になりません。
あたしは、ココを指定した間宮先生に心の底から感謝してた。