イチコイ日誌~苺色の恋記録~
 
 誰にもジャマされない、ヒミツのお昼休み。



 青すぎる屋上で、ふたりぼっち。



「キスさせろ」


「ん、上から目線だからヤダ」



 ――ダァンッ!



 一瞬にして、兄に捕まった。


 とばっちりを受けた壁が、かわいそうに、ヘコんでる。



「……壁ドンする相手違わない?」


「俺がそんなヘマすっか」



 いつも気怠げな兄が口早なのは、本気でキレてるから。


 凄まれて怖い……けど。



「ダメなんだよ……」


「ダメじゃない」


「だってあたしたち――!」


「もう黙れ」



 グイッと顎を掴まれたら、


 や、キスされ――!
 
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