イチコイ日誌~苺色の恋記録~
子供は私だけ。
弟は、拾われっ子。
つーかさ、よくよく考えたら、
由緒正しい平々凡々家系から、
イキナリ超絶イケメンが生まれること自体、
怪奇現象、ドキュメンタリーもんだって!
それ言ったら、弟は腹抱えて笑い出して、
「お姉ちゃん最高! 大好きっ!」って、両親の前でハグしてきたよね。
で、今に至ります。
「号泣するわ、爆笑するわ、ホント振り回されっぱなしだわ、私」
「頼りないカレシでゴメンね、お姉ちゃん」
弟で、カレシ。
ややこしいけど、合法です。
「冗談だって。これはさ、ジタバタしたアンタのお手柄なんだよ」
世間から後ろ指を指されることなく、言えるんだ。
「ね……ハグして?」
言葉の終わりを待たず、
せっけんが、ふわりと香る。