イチコイ日誌～苺色の恋記録～

　
「……んっ……」



　待ちわびていましたよ、と。


　この一瞬をじっくり味わうような、やわらかい口付けを落とされる。



「ん……好き……好きです、先輩……」



　この子は本当に、音色ごと私を好きでいてくれてる。



　ギュウ……。



「…………せん、ぱい？」


「見ないでよ……わかるでしょ」



　声が震えていること、


　胸に押し付けた顔が、真っ赤なこと。



　私の負け。認めてあげる。


　こんなひとめぼれも、アリよ。



「せんぱいっ！」


「きゃっ！　こらっ、飛びつかないで！」


「僕のこと、もう無視しませんか？」


「な……」


「取り合ってくれますか？」



　……あらあら。


　自信なさげに眉尻を下げちゃって。