イチコイ日誌~苺色の恋記録~
 
「だって楽しいんだもん」



 ……夜も眠れない悩みを、


 あろうことか「楽しい」ですって……?



 甘いマスクで、甘やかされてきた王子を、


 私は甘く見過ごしすぎていたようね。



「先生をからかわないの! 特別課題出すよ!」


「それでもいいけど」


「……は?」


「未解答問題の答え合わせ、してやるよ」



 グッとのぞき込まれる。


 のけ反った拍子に、手元の解説がクシャリと歪んだ。



 声が、出せない。


 怯んだ隙に、取り上げられるメガネ。




「ん……やっぱかわい」




 瞳に灯ったその熱は、


 教師に向けるものじゃ、ないわ……!
 
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