金魚の恋
teikoちゃんはと言えば、
これが満面に笑みを浮かべて、bokuを迎えてくれた。
えぇい、もう、思いっきりピエロになってやるう。

本音を言えば、
“ちょっといいかな、かわいいし”だ。

自分でも驚くほどに、会話が弾んだ。
S君には悪い気がしたが、
ものの五分と経たないうちに、完全に二人モードに入ってしまった。
笑い声が、車中に響き渡った。

遊園地に到着後は、さすがに気が引けた
bokuは、体調を崩したと言い訳して、車に残った。
実際、下痢しちゃったし。
慣れないことはするもんじゃない、実際。

気が付いたのは、三人が戻ってきてからだ。
ぐっすりと、眠っていたらしい。
夕焼けが眩しかったことを、覚えている。
その帰りの車中、S君とteikoちゃん二人の、楽しげな談笑が続いてた。
bokuはと言えば、眠くも無いのにフテ寝してた。

そもそものこと。
悪友とその友人と、そしてteikoという女の子。
人の好い(?)bokuは、その友人のデートのお供をすることになった。

男三人に、女一人。ちょっといびつですぞ、これは。
しかしまあ、暇つぶしにはなるだろうと、軽く考えて、お供、してしまった。
悪友に言わせれば、bokuを気遣ってのことだと言う。

「女日照りのおまえが心配なんだよ」
人の心配をしてる場合かよ。
そういうおまえだって、じゃないか!
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