金魚の恋
飲み干されたグラスに
なみなみとワインを注いでも
それは 以前のワインではない。
まったくの、新しい、ワイン。

地球は回転し、人間は前進する。
待つも良し 去るも良し。


闇夜 蒼い月に吠える
われた音をがなる 
壊れたトランペット

街角の騒音にも似た 
その音に
マッチ箱の家々に 
灯りがともる

一家団欒の始まり
 笑いが弾ける
 そして 月の微笑
         ━ 壊れた玩具 ━


時と言うものは、本当に残酷なものだ。
確かに願いは、した。時が癒してくれると、信じもした。
でも、こんなではないと、思っていた。
もっと、もっと…

矛盾 ━ そうなんだよ! 確かに矛盾なんだ。
bokuの体の中を、頭の毛先から足の指先まで、全て矛盾だらけ…
体中を走り回っている。

teiko
何だったんだ、一体。
後ろめたさを抱いていたbokuだったサ。
確かに煮え切らない、bokuだったサ。
溺れちゃいけない、溺れちゃいけない! って、
いつも心の中で呟いている、bokuだったサ。

teiko
何者だ、君は?
17歳なのかい? 本当に。

「いいタマ、だぜ、あのteikoって女は。
掛け持ち恋愛をしてるって、ことだ。
いや、恋愛ごっこだな。
舞い上がらせといて、ぶつを売りつけてやがったらしい」

本当なの? 友人の言は。
信じていたい、信じていたい。
信じてて良いんだょね。

? ? ? ? ? ? ? ?

信じていた、と思っていたことが、実はそう思い込もうと
しているに過ぎなかった、と知った。
ずっこけて……虚脱感。
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